目次
1 音楽家ならLaTeXを使おう! >
2 OSX 10.3の頃 >
3 TeXについて >
4 TeXの環境 >
5 パスを通す! >
6 パスの確認 >
7 問題点は解決? >

1 音楽家ならLaTeXを使おう!

と、かのベルクソンも語っている。
音楽は『時間の芸術』と呼ばれている。
だから音楽家は部分と全体の調和を常に考える。
つまり、音楽家とは「仕上がり」と「仕上げの作業」とのバランスを取ることに
常に取り組んでいる人間の典型的な集まりである。

『Mac使いの音楽家の為のLaTeX』を以前書いてみて、又々考えた。
「LaTeXも音楽と同様のスペックと考えて良い。」とは書いたものの、
・TeXについての情報が十分に説明されていたのか?
・TeXを導入した時に「戸惑いを感じたところは何処だったのか?」
・TeXの設定を行う際に「何処を参考にしたのか?」
・TeXの疑問について「情報をどの様に活用したのか?」等など
TeXを使いこなしている人達にとって「常識的な事」でも、
我々音楽家にとって判らないことだらけだった。
こんな反省もあり、改めてTeXへの取り組みの『最初の一歩』から
総まとめのつもりで書いていくことにする。

OSX 10.3の頃

TeXと出会ったのは「Pantherで使おうUNIX」と言う本がきっかけである。
2004年5月初版第一刷として出版された直後と記憶している。
Weblogサイトについて勉強をするために購入した本ではあったが、
「4-I TeXの概要」の
『文章の論理構造を意識して記述する為、
論理構造を考える事が重要なマニュアルや
論文に向いているという利点があります』
という文章が目に止まり、このツールが今欲しかったモノだと直感しました。
MOREというアウトラインプロセッサを永年使いMacのOSが新しくなったことで
このソフトも使用出来なくなり
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、後継のアプリを探していた矢先のことでした。
「Pantherで使おうUNIX」の本に書かれている内容をよく読み、
TeXの環境をインストールすべく、格闘を続ける日々があっという間に過ぎていきました。
本の解説に従って桐木氏
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のpTeXパッケージをダウンロードし、解凍し、
『a match in her pocket』というツールを使いUNIXコマンドに素人の私でも
『パスを通す』事が出来ました。
この頃使用していたTeXShopの「設定プロファイル」にはTeXShop標準の他に
pTeX(井上版)
pTeX(桐木版)
pTeX(小川版)
といった色々なpTeXが存在していました。
●それでは、現在のTeXについて話を進めましょう。

TeXについて

『TeXはプラットフォームに依存しない』
この文章に接した時
『プラットフォームとは何の意?』
と最初の疑問が出ることでしょう。
音楽家の癖で、『音符の一つ一つの意味』が判らないと、先へ進めないでしょうが、『Windows』でも『Mac』でも『UNIX』でも『Linux』でもOSに関わらず、TeX(組版ソフト)を走らせることが出来ると言う事です。
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今回も、MacOSX10.6.6以上の環境でTeXを走らせることを前提にしています。
現在使われているTeXの種類を大まかに挙げておきますと
・LaTeX
・plainTeX
・GNU Texinfo
・ConTeXt
新版ではLaTeX2e(日本語版ではpLaTeX2e)LuaTeXやupTeX、また
MacOSX上で動作し、しかもMacOSXのOpenTyoeフォントも使用出来る
XeTeXも有ります。
☆音楽家の貴方ならどのTeXバージョンを選びますか?
●貴方のTeXを誂える順序について、次に書いていきます。

TeXの環境

TeX環境設定に必要な物は何でしょう?
TeXの入力から出力までの流れを書きますと
入力(エディタ)→文書ファイル(TeXによる組版)
→dviファイル(表示・変換)→dviドライバ(印刷etc.)出力、
と成ります。
TeXの場合、入力はどんなアプリで作成していても、そのファイルの拡張子に【.tex】という名称が付いていればTeXのプログラムがきちんとそれを読み込んで【組版】作業を実行します。
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その為の作業には、次のような物が必要となります。
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  1. TeX本体のpTeX
  2. pdf形式ファイル作成用dvipdfm
  3. dvipdfmの結果を表示する為のアプリ(Mac標準のプレビューでも可)

    ●それでは、TeXに必要なファイルを
    貴方のMacにインストールしてくれるお薦めを、次に書きます。

4.1 MacTeX

MacTeXは、貴方にお薦めする一押しの包括的なパッケージです。
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MacOSX10.4以降のバージョンで動作します。
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最新版のMacTeX-2012 では、日本語 TeX (pTeX, pLaTeX)が使えます。
文字コードはUTF8、jarticle.cls、jsarticle.cls、okumacro.sty等が含まれており、otfパッケージ
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も使えます。

★ー★貴方への注意★ー★
なおMacTeX-2012はファイルがとても大きいので、ダウンロードする際は、ミラーサイトから実行するように勧めています。(こちらの方が時間が掛からない為と説明しています)
  1. MacTeX - TeX Users Group のサイト http://tug.org/mactex/ から、
    MacTeX-2012 (MacTeX.pkg およそ 2.1 GB)をダウンロード
    (tug.orgではSafariを使うことを奨励)
  2. pkg(パッケージ)をダブルクリック展開
  3. インストール
    (インストールが成功すると、アプリケーションフォルダーにTeXというフォルダ(ディレクトリ)が作成されます)
MacTeX-2012がインストールされるのは、デフォルトでは/usr/local/texlive/2012 です。

4.2 環境整備

日本語etc.の環境を整備したくなるのが次の段階に起きることです。フォントの表示をもっと美しくしたいとか、色々出てくることと思います。
こう言う時には、TeX WiKi - machttp://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/texwiki/?Mac#t244993fにアクセスしましょう。
『ヒラギノフォントを利用可能にする設定』などが参考になります。
環境整備以外にも、インストールの遣り方etc.様々な事例が掲載されています。

4.2.1 TeXアプリを使用する時の注意

TeXworks0.4.4r1004を使用する時におそらく『バックスラッシュ』が【option+¥】で入力出来ないと思います。色々なサイトにこの解決法として『KeyRemap4MacBookでBackslashが優先されるようにキーバインドを変更すると良い』と書かれていますが、『かな入力』を使っている人にはお勧め出来ません。『句点読点』や『ー』etc.が設定変更を工夫しないと入力が難しくなってしまいます。TeXworksと同様な『バックスラッシュ問題』はTeXmaker3.4.1等でも起きています。
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☆『かな入力』の貴方への一寸したアドバイス☆
貴方が愛用している『エディタ』が有れば、予め『バックスラッシュ』をファイルにコピーペーストしたものを作成して、そこからコピーペーストすると便利です。
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4.3 MacPorts
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MacTexは
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非常に膨大なパッケージ群であり、中には不必要なファイルやツールが多く含まれる。という理由からMacPortsを勧めるユーザーも多い。
http://www.macports.org/install.php から最新をDLしてインストール。
MacPortsのファイルが展開される場所にはパスを通す必要があるので、
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ホームディレクトリにある.bash_profileに以下の文章を追加しておきます。
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export PATH=/opt/local/bin:/opt/local/sbin:$PATH export MANPATH=/opt/local/man:/$MANPATH
●それでは懸案の『パスを通す』に進みましょう!

パスを通す!

Mac愛用者の音楽家にとっての難問題が『パスを通す』作業?です。
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この『パスを通す』と言う事の意味が判らず、色々インターネット検索をし、
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『どの様な意味に理解すればよいのか?』
『どの様にPATH(パス)を通すのか?』
正直なところ、最初は『書いてあるが』判りませんでした。
冒頭の『PATH』が『パス』という元の単語であること。が
初めて判ったのは色々読み進んでいく内でした。
さて『パスを通す』と言う言葉だけの理解もなかなか大変です。
次のサイトに書かれている説明がわかりやすいので転記しておきます。
http://www.r-styles.net/mt-archives/weblog/development/pathmac-os-x-105.html

《上記サイトページからの部分的な引用です》
[「パスを通す」という事を明確に言葉で表現するのは私には難しいのですが、“上記のように”
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「どこにいても」実行できる状態にすることを「パスを通す」と言うと思っています。]

5.1 『パス』及び『パスを通す』とは?

音楽家の貴方! 或る曲の中での、を考えてみて下さい。
『カデンツ』という名称を持ったが、コンピュータ上ではと呼ばれ
『カデンツまでの道のり』をが、と言うことです。
音楽家には少し砕いた方がわかりやすいと思い定義には大なたを振るいました。
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『パス』とは
『自分のファイルが,自分のコンピュータの階層構造の中のどの位置にあるか』を
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意味し、

『パスを通す』とは、
『パス』
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への道順を『コンピュータに教える』作業の事らしい。

パスの確認

今使っているシェルが、どこにパスが通っているのか確認するには
  1. ターミナルを起動して、次のコマンドを入力する。
  2. printenv PATH
    すると、以下のようなものが表示される。
  3. /usr/local/bin:/bin:/sbin:/usr/bin:/usr/sbin
このディレクトリにパスが通ってることがわかる。

6.1 一般的にパスを通す

  1. 以下のコマンド実行
  2. export PATH=$PATH:パスを通したいディレクトリ
    その後、
  3. printenv PATH
    で確認すると
    パスを通したいディレクトリが追加されているはず。

6.2 自動的にパスを通す

ホームに移動
cd ~
.bash_profileファイルを
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編集もしくは、
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新規作成
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vi .bash_profile
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通したいパスを以下のように書く
export PATH=$PATH:パスを通したいディレクトリ
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ファイルを保存、終了。
以上により、次回からターミナルを起動した時にパスが通るようになる。

問題点は解決?

バスを通す作業の途中で判らなくなるのは、ターミナルを使用する際の
UNIX系の用語だったりする事が一番多いように思います。
生半可にしても少しターミナルを使用する際の用語を知らないと
先へ進めないことは判っては居ても、自分で調べると成ると、
次々に[知らない用語]に出会ってしまいます。

7.1 カレントディレクトリ

ターミナルを開いた時は『ホームディレクトリ』がカレントディレクトリです。
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『ホームディレクトリ』(/User/ユーザ名)が『現在居る場所』という意味で
『カレントディレクトリ』と呼ぶ。
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と書かれているのは【カレントディレクトリを移動する】というコマンドです。

7.1.1 ディレクトリを指定する記号

カレントディレクトリを表示するコマンドは【pwd】
(例) $ pwd  (returnキーを押す)
 /Users/01/Documents
この様に結果表示が出ます。

7.2 注意書き

インターネット検索して必要な情報を集め、説明に従って自分の環境を整備することも出てくることと思います。必要な情報を『コピーペースト』でファイルに書き込む場合は余り問題が無いことと思いますが、時々ペーストしても『バックスラッシュ』で文字化けが起きたり、半角スペースが異なっていたり、する事があります。
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この事に、気がつかず命令通りには『走らないトラブル』に見舞われることがあります。
ターミナルから打ち込む際に、うっかり『半角スペース』を打ち込むのを忘れない。
又は『半角スペース』の打ち込みすぎ。に要注意です。