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「カ」加 迦 訶 甲 可  [濁音] 賀 何 我

此ノ中に、甲ノ字は、甲斐(カヒ)とつゞきたる言にのみ用ひたり。 國ノ名のみならず、カヒとつゞきたる言には、すべて此ノ字を書り。 可ノ字は、中卷輕嶋ノ宮ノ段ノ大御歌に、阿可良氣美(アカラケミ) とあるのみなり。 下卷朝倉ノ宮ノ段ノ歌に、延佳本に、可豆良(カヅラ)とあるはひがごとなり。 賀ノ字は、清濁に通はし用ふといふ人もあれど、然らず。必濁音なり。 記中の歌に、此字の見えたる、おほよそ百三十あまりなる中に、必清音なるべきところは、 たゞ五ツのみにして、其餘(ソノホカ)百二十あまりは、ことゞゝく濁音の處なればなり。 何ノ字は、上卷ノ歌に、和何(ワガ)と三ツ、また岐美何(キミガ)ともあるのみなり。我ノ字は、中卷に、姓の蘇我(ソガ)のみなり。下卷には宗賀(ソガ)とかけり。
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若松 久仁光
2013-08-01