1
08 Marcel MoyseのNamounaについて
新年明けましておめでとうございます。
漸くブログを書くことが出来る時間が取れました。
2012年最初の記事は、
恩師であるフルートの神様マルセル・モイーズ先生の事です。
昨年末より身辺整理を兼ねてモイーズ先生に習った時の
テープやら、手書きの楽譜やら『
後の世代に残すように 』
と先生と交わした約束事を実行できるよう、整理を始めました。
昨年の3月11日の記憶がいっそうこの事を実行に移すことを
要求しているようにも思えます。
何れ経過などをご報告できる日もあるでしょうが、今回は
楽譜の整理中に色々思い出したモイーズ篇の
『The Golden Age of the Flutists』というモイーズ先生直筆の
楽譜を取り上げます。
全52ページのこの曲集の一番最後に出ているのがラロ作曲の
『ナムーナ』と言う曲です。元はオーケストラ組曲4曲目の
『Fête
foraine No.4(a)』フォン ビューローに捧げられたもの。
このGoden Age曲集に載っているモイーズ版は珍しく2/8で
記譜されている。
同じナムーナの編曲にはモイーズ先生の師匠のタファネルの
手になる(?)フルートとピアノのための物がある。
こちらは原曲と同様の2/4という拍子で書かれているが、
時折リズムが(編曲者タファネル?により)分割されていたり、
音が異なっていたりする。
下記の楽譜を基に違うところを書き出すと、
Allegretto non troppo から34小節目オケ版モイーズ版は
Sol
- re - Sol の跳躍、そして次がSol - sol - Sol の跳躍。に対し
Sol
- sol - Sol の跳躍、次もSol - sol - Sol の跳躍。
56小節目の二拍目の最後の音がオケ版モイーズ版は faナチュラル
に対し
fa♯となっている。(この fa♯がとても居心地が悪い!)
最近タファネル版で練習していると居心地が良くない。
それもそのはず、モイーズ版の細かい指示がレッスンの賜で
身についているからでした。
Lalo自身の名称では『Introduction et Allegretto』の後の部分
Allegretto
non troppo からの5小節目部分からMoyseにより
64小節が採譜されている。
当時のレッスン受講時に故ロバート・ボーウェンが役に立ててと
貸してくれた手書きの楽譜をレッスンの合間を縫って写譜ペンで
書き写していた。
日本では馴染みのないボーウェンの名前だが、毎年モイーズの
夏期講習会に参加していたニューメキシコ大学の教授である。
オランダのハーグでフェスタ-氏に師事。同時にチェンバロも
レオンハルトについて学んでいた。
東京で再会を果たした後、高速道路で車に追突されて亡くなった。
その彼から借りて書き写したナムーナの楽譜が完成したのは丁度
Taffanelの命日と同じ11月22日だったので良く記憶している。
少し脱線してしまった。
モイーズ版ナムーナはその後ゴールデンエイジというタイトルで
全音から出版された物の中には収録されなかったが、今は楽譜と
成っているのだろうか?
細かい指定の通り『Namouna』の曲想を身につけるのは大変だった。
何分
rit.とa Tempoが頻繁に繰り返される。
レッスンのテープの数が他の物と較べかなり長時間に亘っている事でも
モイーズ先生の気の入れようが自ずからわかろうというものである。
レッスンを受けて数年後トゥールーズのオケの試験の時に
課題として演奏させられた事は記憶に新しい(?)。
新年に当たり色々昔のことを書いてしまったが、温故知新。
昔のテープを聴きながら、今までになく稽古に精進している自分が
こうして存在し得るのも《何故か?》と生きる使命を改めて考えています。